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2011'04.23.Sat

GS1姫主SS「2年春、進路相談会」

タイトル通りですが、2年春、友達設定での姫条×主人公です。
なんか、久々に在学中時間の話を書いた気がします。
リアルタイムの24歳姫条もいいんだけどね!

SSSよりは長めになったので、今回GSとしては初めてですが
試しにピクシブの方にもほぼ同じものをUPしています。
改行が違うだけ。
ブログで読みづらい場合は、そちらでどうぞ。

【pixiv小説】


ブログでいいよという場合は、追記からどうぞ。




2年春、進路相談会




4月も中旬を過ぎ、淡いピンクの花を落として葉桜へと移行する頃。
放課後の寄り道ハンバーガーショップで、
それぞれ一枚の用紙を前にペンを持って唸る制服姿の男女一組。
正確には「ペンを持って唸っている」のは女子生徒のみで
男子生徒は新作のハンバーガーにかぶりつきながら
目の前の女子の眉間の皺をついと押していた。

「もー、まどか。ビックリするじゃない」
「いやほら、可愛い顔に縦ジワは似合わんでー」
「だって悩んでるんだもん、進路調査書」
「まだオレら2年生になったばっかりやし、そないに深刻に考えんでも」

ぺろりと、口の端に付いたてりやきソースを舐めながら、
食べ終わったハンバーガーの包みを折りたたむ。
気楽そうな彼に対して、彼女はがあーっと反論する。
アンドロイド担任教師の影響か?と冗談を言ったり
謝ったり落ち着かせるようなことを言ったりと
なんとか彼女をなだめすかして、
二人で分けて食べようと思っていたポテトをすすめる。

「プリントに油が付いちゃったら恥ずかしいから、後で」
「ほんならとっとと……」
「迷ってて書けないの!」

ぷりぷりぷり。
また地雷を踏んでしまったらしい。
失態、失態。

「せやけど、ジブンやったら第一希望一流大って書いとったら
 ええんとちゃうの? 勉強できるんやし」
「でも、学部とか全然ピンと来なくて。何やったらいいんだろうなーって」
「……まあそらそうやわなぁ」

学力もさることながら、親の援助も期待できない自分は
(むしろ援助してもらいたくない)
進学はあまり考えていないが、その後の進路は漠然とも見えていない。
親に反発して「会社を興して」なんて言ってはいるももの
あっという間に1年が過ぎてしまった。

「とりあえず、後で本屋さん寄って、進路関係の本見て考えてみるね」

そう言ってクリアファイルに挟んでプリントを鞄に片付けた。

「ほんなら、オーレも♪」

同じくプリントを鞄に片付ける。
彼女と違って適当に半分折りにして突っ込んだだけであるが。

「まどかはもっと色々考えなくちゃね。
 ホントに進学しなくていいの?」

学歴はあるにこしたことはない。
が、今からちょっと勉強したとして、中途半端な学歴でどうにかなるのだろうか。
それこそ、彼女の言葉を借りるが
「学部とか全然ピンと来ないし、何やったらいいんだろうなー」な状態。

アイスクリーム系デザートをスプーンですくいながら訊ねる彼女。
バナナ味の新作なのだとか。
プレミアムなんとかなカップコーヒーをすすっていた姫条に
「食べてみる?」と小首を傾げながらアイスのスプーンを差し出す。
付き合っているわけでもない異性に対して、いわゆる間接キッスになるのに
気にしないのかなと、照れてしまう自分を恥ずかしく思いながら
「おおきに」と彼女が手に持ったままのスプーンをくわえ込んだ。

「おっ、なかなか旨いやん」
「でしょ? コーヒーにも合う感じで。というわけでコーヒーくださーい」

手元の冷めかけたホットコーヒーを奪われる。
またしても、照れることもない彼女。
おそらく、男とか女とか気にせず「友達」としての対応なのだろう。

―― 恋愛対象として見られてへんのやろなぁ。
軽くため息をつく。

彼女と一番親しい異性は自分だと、これは自信を持って言える。
けれども恋愛感情を向けた異性としてではない。
そして、そういう感情を向ける異性は今のところいないはず。
いたとしたら、彼女の「違い」に気づくはずだから。
それくらいに、彼女のことを傍で見ているのだから。

―― オレの気持ちに気づいてもらえる日は来るんかな。

彼女から戻ってきたぬるいコーヒーで
パクパクと口へ放り込んだポテトを胃へ流しこみながら考える。
そう言えば、先日彼女から借りて読んだ少女漫画のシチュエーションで、
(「男でも面白い少女漫画」とやらで、クラスでも話題になっていたので)
こんなセリフがあったっけ、と思い返した。

ヒロインと最終的にハッピーエンドを迎えることになる
同級生男子、いわゆるツンデレ男子だそうだが
鈍感なヒロインに対して耐え切れなくなったある日、
「俺の気持ちにいい加減に気づけよな……!」と、
彼女に想いを吐き捨て、そのことでようやく彼女も彼を意識し始めて
ギクシャクした期間がありつつも最後には恋人同士になれるというもの。

漫画の中の彼と同じで、鈍感な彼女にこの想いを気付いて欲しいが、
そのことでギクシャクし、そのままフェードアウトするのが怖い。
現実は漫画とは違うのだから。
そうして変化を恐れたままで、彼女の「友達」であり続けるのはいつまでだろうか。


「オレも色々この先のこと、考えなアカンなぁ」
「そうだよー、あっという間に卒業しちゃうかもなんだから」
「まあ、卒業までになんとかでけたらええかな」
「うーん、卒業までに大学受験があるんだけど。まさか最初から浪人?」
「1年も延期とか、さすがにそれはしんどいわ。在学中にケリつけな」
「そうそう、そのためにも勉強頑張ろうね!」
「よっしゃ、そうと決まればちょっとずつでも上げてかなアカンから、
 とりあえず次の週末はビリヤードにでも行こか!」
「だーかーらー、勉強はー?」

噛み合っているような、いないような会話をしつつ、
二人はファーストフード店を出て、本屋に向かうことにしたのだった。
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maru

姫条君かわいいです!
親友だけど、一歩が踏み出せない、女慣れしてるはずなのに気弱なところがいいですねv
姫条君は親友状態が一番萌えたなあと思い出しました。
SS嬉しかったです!

2011/04/24(日) 00:08:26 | URL | [ 編集]

イズミ

>maruさん
ヘタレ姫条、いいですよね~。
親友状態で余計に悶々してるのが、たまらなく好きです。
主人公さんってば、罪な子。
こちらこそ、コメントすごく嬉しかったです。
ありがとうございます!

2011/04/25(月) 12:50:05 | URL | [ 編集]

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