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2009'10.31.Sat

姫主ハロウィンSS

久々にSSを書いてみました。相変わらず好きだなー、季節ネタ。
これまた相変わらずの一発書きというか、一気書きなので
最初と最後のテンション違っているような気がします。
まあいいや、気にしない気にしない。



SSは本文は以下から。
タイトルは適当なんですが、いつぞやのドラマかなんかでありましたね、確か。

『魔女の条件』




 冬の制服に衣替えをしてから、早くも1か月が過ぎようとしている。
 中間考査も終えたはばたき学園の次の行事は文化祭。
 試験が終わった解放感もあり、また皆で作り上げる「お祭り」の準備に、学内は慌ただしくも楽しげな雰囲気に包まれている。
 今日、10月31日は土曜日。
 午前の授業は2限目までで、残る2コマは文化祭準備に充てられいた。
 展示の準備をするクラス、合唱や演劇の練習をするクラスなど様々であるが、校舎裏の目立たないところでサボる男子生徒が約1名。名前を姫条まどかという。

 授業中とは違って喧騒でざわめく校舎から離れ、姫条はのんびりと木陰に寝転がり、青く高い空を流れる雲をぼけーっと見上げて時間を潰していた。
(授業中扱いやからバイトにも行けんし、早よ終わりゃええのに)
 大あくびをする彼であるが、文化祭当日には忙しくなる。
 姫条のクラスの出展は「たこ焼き屋」。
 高倍率な飲食店の権利を手に入れた彼のクラスは、関西出身の姫条を全面に出して、たこ焼き屋をすることに決めたのだった。
 ちょっと寝坊してサボって休んでいた間に決まったことで、「面倒くさい」とか「勝手に決めたくせに」とかブツブツ言う割には、なんだかんだで責任は果たそうとする姫条。
 準備に必要なものの指示などをテキパキと済ませ、とりあえず後は当日まですることがなくなったのである。
 ちなみに、機材のレンタル等の手配は有能な女委員長の有沢が、手作り衣装のハッピの準備は男子バスケ部マネージャーの紺野が取り仕切ることになっており、こちらは問題ない様子である。
 なお、「姫条まどかプロデュース」の効果は、特に女性客に強いネームバリューを持つものとして期待されているのを付記しておく。



 そんな彼の視界を遮る黒い影。
「こんなところでなーにしてるのかな?」
 空の青だけの世界に急に飛び込んできた相手の顔は、頭側から覗きこまれて上下逆になっていてはっきりしないが、姫条の心にくすぐったく響く明るい声で誰だか分かる。
「ただいま姫条まどかは充電中ー。ていうか、その頭、何?」
 青い空を遮っているのはボブカットのシルエットではなく、大きなツバのある黒いとんがり帽子。
 上体を起こしてあぐらをかいて座り直した姫条を前に、とんがり帽子の彼女はくるりと回ってポーズを決める。
 いつもの制服の肩にはこれまた大きな黒いマントが掛かっていて、帽子とマントだけがアンバランスに浮いている。
「じゃじゃーん、私の衣装なのです!」
「ジブンらのクラスってコスプレ喫茶でもすんの?」
「ちーがーう、白雪姫の劇。言わなかったっけ?」
「いや、聞いてた気もするけど……」
 確かに演劇に決まったという話は、以前にたまたまを装って一緒に下校した時に聞いた覚えがある。
「私は悪い魔女役なのでーす」
「なんやそれ、白雪姫役ちゃうんかいな」
 こんな悪役よりも、絶対にその方が似合っている。
 どうしてそんな役をさせるのかと不機嫌な気持ちになりながら、話の続きを聞く。
「白雪姫はね、瑞希サマ。なんせ王子様役が三原くんだからねー」
 あのお嬢様がゴネたのだろうと察しはついた。
 恋する乙女の一途さはかわいいものだと思いながらも、彼女が悪役というのが腑に落ちない。
 が、少し考えて白雪姫役でなくて良かったと思いなおした。
「ジブンに目覚めのキッスをする王子様は、この姫条まどか様限定やないとな」
「あはは、またまたそんなことばっかり言ってー」
「はっはっはー、本気や本気。つれないなぁ~」
 冗談めかした口調に本心を隠し、彼女と一緒になって笑い飛ばした。
 そう、いつもそうなってしまうのだ。
 笑顔の下で、そんな自分に苛立ちと情けなさを覚える。


「で、その魔女様がこんなところでどないしたん?」
「うん、今日はハロウィンでしょ? だから、この格好ちょっと仮装っぽいから」
「オレに見せに来てくれたん?」
「ピンポーン。どう? 鏡よ鏡、世界で一番美しいのはだあれ?」
「それは貴女です、王妃様……って、王妃様バージョンの衣装は?」
「えへへ、それはまだ。とりあえず魔女っ子バージョンだけ」
「魔女っ子て……」
 王妃なのに魔女っ子とは違う気がするが、どうやら彼女がこの衣装を気に入っているのは間違いない様子である。

「ハロウィン言うたら、トリック・オア・トリートやったっけ?」
「お菓子をくれないと、いたずらしちゃうぞ~」
「そんなん言うても、今はなんもないて」
「じゃあ、いたずらの刑だね!」

 地面に座り込んでいた姫条の前に、まとった黒いマントをふわりとなびかせて彼女が屈みこんできた。
(え、ちょ……こっ、心の準備が!)
 自分の頬に添えられた彼女の片手。
 ひんやりとした指先が触れたところはカッと熱を帯びてくるのが分かる。
「目、つむっててね?」
 思わず言われるがままに目をつむってしまう。
 一度閉じてしまった瞳を開くわけにもいかずぎゅっと目を閉じたままでいるのを、まるで中学生みたいなウブさだなと自分で思う余裕もなく、平静を装って彼女の行動に身をゆだねていた。
 もう片方の頬にも柔らかい手が添えられ、そして……。
「むぎゅーっ!」
 効果音付きで彼女は姫条の頬をつまんで引っ張ったのだった。



「それじゃ、またね。ちゃんとうちの劇も見に来てね」
「へいへい、しっかり魔女っ子の演技を見に行かせてもらうわ」
「たこ焼きも楽しみにしてるからねー」
 振り返りながら手を振る彼女に、同じく手を振って見送った。
(魔女っ子っちゅーか、悪魔っ子っちゅーか……小悪魔?)
 つねられた頬をさすりながら、もう一度ごろりと寝転がって空を見上げた。

 頬の痛みはないけれど、心に疼く恋の病。
 彼女の王子様になれる日は、いつのこと?






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ひまわり

こんばんは。
某所お世話になっております、ひまわりです。
ハロウィンSS拝見させていただきました!
もう、主人公ちゃんかわいすぎ!
それにもまして余裕のないまどかに萌えました!
マジになった時のまどかのウブさが堪りません><
当日に素敵なお話が読めて感激でした!
あ、魔女の条件懐かしす。タッキーと松嶋奈々子
のドラマですよね!見てたなぁ。
ではでは、素敵なお話をありがとうございました。
また某所でも遊んでやってください♪

2009/11/01(日) 00:07:00 | URL | [ 編集]

イズミ@管理人

こんにちは、こんなところまでお越しくださいましてありがとうございます!
Twitterで皆さんとGSトークしてたりしたら、GS熱が上がってきてしまいまして……。
どうもうちの(私の書く)姫条は、内面臆病なのが多いんですよ。
そんな姫条さんと天然小悪魔主人公ちゃんでしたが、
楽しんでいただけて何よりです。

魔女の条件、女教師の松嶋さんのでしたっけ。
全然今回のSS内容とドラマ内容関係ないや!

あちらでも今後ともよろしくお願いしま~す。
私にさらなるGS萌えを提供してください(笑)

2009/11/02(月) 13:45:32 | URL | [ 編集]

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